後半戦突入です。今回は退職所得です。
今回は退職所得をレクチャーいたします。
りはい、ふじきゅうまで終了しました。
後半は所得税の呪文の後半
「たいさんじょう、いちざつ」の退職所得からスタートです。
退職金も所得税なんですね。びっくり。
そうですね。
まぁ、所得税法のルールは終身雇用・年功序列の時代にマッチしたような内容ですからね。
今回はズバリ、退職所得のキーワードは「優しい」です。
え?
なぜ退職所得には「優しい」というキーワードなんですか?
退職金というのは、長年勤めた会社を定年退職した方が受け取るお金です。その金額は多く、「老後資金」と位置づけられているので、税務署は退職所得からガッツリ徴収することはしません。退職所得からはあまり課税されません。だから「優しい」んです。
では、試験対策いってみましょう!
試験ではこう出題される
退職所得の金額=(収入金額ー退職所得控除額)×1/2
退職所得に関する問題は、本試験の第1問・第2問で出題されます。退職所得の問題を解くために必要なポイントは
- 退職所得となる項目を知ること
- 勤続年数
- 退職所得控除額の算出公式を覚える
シンプルにこの3つです。特に勤続年数はとても重要です。
所得税法上 退職所得として課税されるもの
- 退職手当(退職給与規定に基づくもの)
- 退職功労金(在職中の功績に対するもので、賞与に該当しない一時金であること)
[ひっかけに注意するもの]
※「永年勤続記念品」
これは所得税法上、非課税所得となります。
勤続年数について
退職所得控除額を算出する際に「勤続年数」が必要となります。以下の表をしっかりと暗記してください。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円×勤続年数(最低80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数ー20年) |
例題を解いてみよう
例題①
Aさんは、2023年9月30日にうちな~商事を退職している。次の資料に基づき、Aさんの本年分の退職所得の金額を計算しなさい。
退職所得の金額=(収入金額ー退職所得控除額)×1/2
[資料①]
Aさんが本年退職時までにうちな~商事から支給されたものの明細は次のとおりである。なお、源泉徴収されるべきものは、徴収前の金額であり、特定役員退職手当等に該当するものはない。
記号 | 収入の 種類 | 収入 金額 | 備考 |
a | 退職手当 | 2,000万円 | 退職給与規定に基づくものである。 |
b | 退職功労金 | 1,000万円 | 在籍中の功績に対するもので、 賞与に該当しない一時金である。 |
[資料②]
Aさんがうちな~商事に就職したのは1991年4月1日である。
(1)収入金額
a+b=30,000,000円
(2)勤続年数
2023年9月30日ー1991年4月1日=32年と6か月
勤続年数の1年未満の端数切り上げなので、勤続年数は33年となる。
(3)退職所得控除額
8,000,000円+700,000円×(33年ー20年)=17,100,000円
(4)退職所得の金額
(30,000,000円ー17,100,000円)×1/2=6,450,000円
となる。
凄い!
3,000万円の退職金を受け取ったけど、規定のルールで控除額を計算すると、最終的には
645万円に対して課税されるんですね!
はい。
冒頭でお伝えした「優しい」というのはその意味となります。
以上で退職所得の学習は終了です。
本試験では第1問・第2問での出題になります。繰り返しになりますが、過去問題集を解いて感覚を掴んでください!
では、今回はこれで以上となります。りはい、ふじきゅう~の順序で行くと次は山林所得となりますが、山林所得の出題頻度は、第3問のⅡ、課税標準額の計算部分で説明をするので、今回の授業では割愛します。よって次回は「譲渡所得」となります。ありがとうございました。
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